さっぽろ青年ユニオン
労働相談日記 Vol.2

コールセンター職場の『3密』改善を求めて

・コールセンターで働く人からの労働相談が急増

4月7日の「緊急事態宣言」以降、コールセンターで働く人からの労働相談が相次いでユニオンに寄せられています。今年1月から5月20日までに46件の労働相談があり、うち3割(14件)はコールセンターで働く人からの相談でした。相談件数46件は、昨年私たちが一年間に受けた労働相談件数の3倍です。5月2日~3日にさっぽろ青年ユニオンも参加して行われた、全国の労組やNPOが緊急で共同開催する「新型コロナ労働・生活総合ホットライン」でも、コールセンターで働く人からの相談が多数寄せられました。

・職場の「3密」を何とかして!

そこでさっぽろ青年ユニオンは2つのアクションを起こすことにしました。

①オンライン署名を集める

②コールセンター企業に対する啓もうと指導を、札幌市に要請する

オンライン署名は5月18日からスタートし、提出日の6月4日までに512筆が集まりました。署名と合わせて、札幌市長あてに要請書を提出。札幌市の経済観光局雇用推進部と懇談しました。懇談では、「通勤ラッシュと密状態の中、命がけで出勤している」「コールセンター協会からは指針が出ているが、クライアント要望により3密状態が改善されない」など労働相談で寄せられた声を紹介、感染リスクが心配なコールセンター職場の実態を伝えました。

また、札幌市でコールセンターを誘致していることもあるのだから、実施指導などをできないか?市から啓もう・指導してほしいことなどを伝えました。雇用推進部長からは「切実な話を聞かせてもらった、他の部局にも伝えます」との回答があり、新しくできた札幌市の「コールセンター企業が対象の新しい補助金制度」についても説明がありました。

・札幌市は感染対策補助金を新設

要請行動と同日の6月4日、札幌市は「コールセンター企業向け新型コロナウイルス感染防止対策補助金」の新設を発表しました。

コールセンター企業向け新型コロナウイルス感染防止対策補助金(札幌市ホームページ)

 懇談の際、「制度ができても、実際にそれを使おうとしない企業があることが、相談から分かっている。補助金がきちんとした形で使われているのか、実地指導などはしないのか」とユニオンから指摘した事が反映されたのか、補助金受給は「現地調査」が要件となっていました。札幌市ITイノベーション課によると、市民から問い合わせがあれば、補助金制度を利用した企業名や感染対策等も公表するとのことです。

皆さんから寄せられた512筆のオンライン署名が大きな力になり、行政の対応を動かしたと言えるでしょう。さっぽろ青年ユニオンが札幌市へ行った要請に対する回答は6月10日以降を予定しています。回答はまた皆さんにお知らせしたいと思います。(2020/6/6)

〔6月4日に札幌市に提出した要望書〕
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